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【伝統芸能班】論文を読みました!

どうもどうも!
伝統芸能班のゆうしです!

「さくら祭り」のブログは読んでくれましたか?
あの後、論文を読んでみようと思い立って、Google Scholarで調べていました!
僕たちは、京都の伝統工芸の「漆工」に携わっているんですが、同じ伝統工芸の「着物」に携わりながら、伝統産業の分業制について、俯瞰した論文があったので紹介します!
要旨のところだけ口調が違うんですが、気にせず読んでください!!


<参考文献>
山本真紗子. "伝統産業における 「分業制」 の功罪: 立命館大学京友禅着物プロジェクトを通して." デザイン理論 68 (2016): 35-48.

■要旨
 伝統産業の衰退が言われて久しい現代、様々な工芸が後継者の不足や、売り上げの激減、など様々な問題が起き、それぞれが複雑に絡み合っています。山本(2016)では、そんな伝統産業を「京友禅」の視点を切り口にして、伝統産業では当たり前の「分業制」について、その良さや改善点を考察しています。
 京友禅は、職人の手描きによる「手描友禅」と、型染による「型友禅」に大きく分けられます。著者はどちらにも着物と着尺を実際に発注し、その製作工程を通し、京友禅の技術や、それを取り巻く環境について、記録を行なっています。
 他の論文では、知識者に向けた論文が多く、写真や初心者に対して丁寧な説明が見られない。一方で、本稿では写真が多く掲載されており、着物に関して知識のない私でも、特に抵抗なく読み進めることができた。

以下がまとめられていた京友禅の流れを、簡略化し記載したものである。
(1)原画の選定とデザイン案の決定
(2)丹後でのオリジナル白生地の作成
(3)染めの作業
<手描友禅>
①下絵
②糊置
③挿し友禅
④蒸し・水元
⑤仕上げ
⑥金彩
⑦刺繍
<型友禅>
①図案
②型紙を彫る
③型置き

以上のように、京友禅はたくさんの分業制の元に成り立っていることがわかる。

 一方で、著者は次のようにも述べている。分業制は、1人が作るよりも量産化でき、安定的な生産が見込める。分野ごとにプロフェッショナルが存在するので、完成品の質が高いのだ。では、極度に分業化されることが良いのか。というと、そうではないと言う。小ないし零細企業の専門業者が各工程を分担すると言う複雑な構造が、近代的な工業製体制や大量生産を阻む足かせであるとの指摘もあると言う。そして京友禅も、1970年代以降の需要の低迷、衰退傾向が顕著になるにつれて、生産体制の改革が叫ばれている。

大きな問題点として、著者が上げているのは次の3点である。
【1】消費者ニーズとの距離
【2】人間関係に拠った生産構造
【3】消費者が持つ生産工程の不透明さや価格への不信感

 そんな現状を打破すべく、分業制の良さを撮り残しながらも、消費者のニーズを捉えながら、京友禅の課題解決に向けて生産活動を行なっている「着物メーカー」ZONEきものデザイン研究所という企業がある。

とのことでした!
ZONEきものデザイン研究所は、素晴らしき京友禅を伝え遺すために。というキャッチフレーズで、これまでの京友禅の良さを残しつつも、生産形態を現代にフィットさせながら生産活動を行なっています。気になるかたは、以下のリンクを訪れてみてください!!
■ZONEきものデザイン研究所
http://zone-kimono.com

■感想
 この論文の面白い点は、「分業制」にメスを入れたことではないでしょうか。最後には、「漆工」も同じ分業制で、同じような問題に直面している。とも記載されていました。まさにその通りだと思います。ただ、これまで活動してきて、「分業はなければならないものであって、絶対に変えられないポイントである。」という勝手な固定概念ができていたことに、気づくこともできました。
 新商品の開発や、販売方法を検討する活動を行なっていますが、生産体制の刷新というのも今後伝統を遺していく上で解決しなければならない問題であると改めて感じました。私たち自身、生産工程などはあらかたわかりますが、立ち入ったところまではまだまだ無知の状態です。8期生が入ってきたら、職人さんのお宅に、工程ごとに分かれてホームステイしてみようと思います!!

また、著者によると、ZONEきものデザイン研究所なるものが「漆工」の世界にはもう存在しているそうです!ただ、企業名は明かされていなかったのでコンタクトを取ろうと思っています!ネット上には情報がなくて、現在立命館の友人に頼んでいます…

久しぶりに伝統工芸関連の論文を読みましたが、面白いですね!!みなさんも、Google Scholarで自分の興味分野を検索してみてはいかがでしょう?!

以上、ゆうしでした!!
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