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【K8】読書の会 生きることについて

お疲れ様です。
K8のはるかです。

今日(2020年8月21日)のK8ゼミでは「生きること」について読書会をしました。
そのことについてブログを書いていこうと思います。

K8読書会

栗田ゼミでは読書会が定期的に開催されます。
まずゼミ生に課題読書が与えられ、それらの本を読んでから読書会でそれらの本に共通するテーマについて皆で深掘りします。

今回の課題本は以下の通りです。

〇愛するということ 新訳版・エーリッヒ フロム
〇向上心について―人間の大きくなりたいという欲望 (小さな講演会) ・ベルナール スティグレール
〇急に具合が悪くなる・宮野 真生子, 磯野 真穂



皆さん、「生きること」について考えたことはありますか?

生きること・・・深すぎて自分一人では考えるのが嫌になってきますね。

私は今までの人生でなるべく難しいことは考えすぎないようにしてきました。
特に哲学なんかは食わず嫌いでした。
しかし、今回の読書を読み「もっと早く知っとけばよかったなあ」と後悔しました・・・。

今までたくさんの本を読み、その度にゼミ生同士で話し合う読書会をやってきましたが、
今回の課題本とテーマは現代の消費社会に生きる私達が無意識のうちに感じる「生き辛さ」みたいなものを解消する手がかりを知るきっかけになった会でした。

今回の課題本は忖度なしに本当におすすめで、私は「義務教育にしたらいいのに!」と思うくらいです!笑

現代に生きる私達は、合理性をもって未来から今を逆算し、何事も効率的に理解しようと生きている人ばかりです。
実際に、それが正しいとされる世の中です。

しかし、今回の課題本は簡単に言うとそれらの「正しいとされること」に抗うような話でした。

皆さん「○○との接し方」や「好かれるための5つの方法」みたいな本を読んだことはありますか
しかしそれは、「異性」や「上司」とかいったように、それぞれの人間が持つ特性にラベルが貼り付けられ、ラベル同士のあるべき関り方が、ラベルについて深い知識を持っているとされる人達によって提示されていると書かれていました。

たしかに、このようなラベル同士の会話に甘んじるのは簡単ですが、この会話に何か違和感を覚えませんか?

これについて、ティム・インゴルドによる「ラインズ」で徒歩と輸送の例が示されています。

インゴルドは、徒歩旅行を最終目的地が決まっておらず、歩みを進めるその度に、世界を知覚し、それと頻繁に関り合いながら通り抜ける運動だと述べています。
そこには運動の伴ったライン、踏み跡が刻まれます。
対して輸送は、出発地と目的地という点を直線で連結し、荷物に変化を加えないよう横断させる行為です。

絵で表すとこんな感じです。(手書きですみません汗汗)
絵


これを踏まえて以下の文章を読んでほしいです。



「プロセスというのは実体ではなく、時間的な経過であり、「私」とはいつもそのプロセスの「途上」でしかない。しかもその「私」はそれ自身で定義されることはなく、家族や友人、学校、職場、地域などの集団に属し、その中で何らかの役割を担う(あるいは担っていない)ことで、他者によって事後的に認証されるような存在なのだ。したがって「私」というものが機能するためには、その私が属する集団である「われわれ」もまた機能していなければならない。「われわれ」の中で「われわれ」に共通の財産に与りながら、それをどう特異に運用できるかによって、「私」が他の人とは違う存在であることが明らかになるのである。しかも「私」は複数の集団に属すことも出来るため、それぞれのグループ、それぞれの場の要請に応じているうちに、「私」はどんどん一貫性を欠き、ときには互いに矛盾するような幾つもの顔を持つことになるだろう。だがそのさまざまな変化を自分の歴史として何とか話を編集し、綻びを繕いながら物語を紡いでいくことが「私」の個体化のプロセスなのだ」ベルナール・スティグレール


九鬼周造は、進路決定などの選択という行為について、これこれこういう人間だからなになにを選ぶと考えることは愚かなことで、これこれを選ぶことで自分がなになにな人間であることが明らかになる(発見される)って考えるべきだって述べるんだよね。

「あのとき~だったら、ああ・・・」という後悔や苦悩を乗り越えない限り、私たちは自分の人生を生きることは出来ないとも九鬼は言っています。 これらの苦悩を乗り越える情熱が人間には必要です。 この情熱をもって、自分の人生は善くも悪くもなにものにでもなり得たはず、という自分の人生の失われた可能性に対峙したとき、人ははじめて自己が偶然/選択(発見)のなかで変容してきた存在であり、そしてだからこそ今この時に新たな自己になったと気づけるんだよね。


僕らは、単に生き残っているのでは無く、人間らしく存在するために、今生きている場所で、未来を育てるために、今を頑張っているのだと思います



私の固体化には、きちんとした社会そのもの成立が必要です。
そして、勇気や信念信頼のようなものをもって立ち向かっていかなければなりません。
しかし、今の社会はこのように偶然に出会い、一瞬一瞬を作り出す生きる力が発揮できる社会ではありません。

インゴルドや九鬼周造が生きていた時より、今に生きる私達の社会の方がより難しくなっているでしょう。

このような社会の中で、どうやって自分の人生を引き受けていくのか。

それが、私達が考えなければならない課題だとなり読書会は終わりました。

今まで私達が教えられてきたものとは全く違う意味の「時間」や「偶然」について発見できました。

このようにとても深いテーマだからこそ、今回の読書会ではみんなそれぞれ違う意見を交換しあうことができ、とても個性が溢れた会でした。

ですので、私一人で今回の読書会についてブログを書くのは偏った意見になってしまうなあと思い、読書会が終わった後にK8みんなの感想を書いてもらいました。
今回のブログはここで終わろうと思います。
千と千尋の神隠しを見ながらブログを書いたはるかでした~

以下、みんなの感想です。

海斗
今回の読書会を通じて、自己と他者との意見の差が何処から生じるのか考えることは大切だと思いました。

はるか
時間軸の考え方に対して、新しく発見出来たのが面白かった。一般的に言われる横軸一本の考え方ではなく、あなたと誰かと私の時間があるという概念を知ったことで、なんだか軽くなった気がした。

しゅうへい
偶然と必然の話はとても興味深く、終わったらすぐ九鬼周造の[偶然性の問題]を取り寄せました。さらに深められたらいいなと思います。

たいが
良い意味で自分を見失いそうでした。

かい
やはり毎回モヤモヤした気持ちで終わりますね

なおと
愛することについて、まだまだ分かったつもりにしかなっていないと痛感しました。もっと興味を持って取り組んで、自分を含めて周りを愛せる人間になろうと思います。

せいや
自分の中に時間があるのでなく、時間と言う中に自分がいるという考えに非常に面白さを感じました

りんたろう
過去と現在、将来は影響し合っていると考えていた自分にとって、今回の読書は新たな視点をもたらすものであった。特に、最後の話にもあったコロナ禍での運命の受け止め方は、自分1人では受け入れきれなかった部分だと思う。この議論をしたからこそ、素直に認めることが出来た。

けんすけ
先生が「千と千尋の神隠し」のお話をしてくださってんですけど、自分を個体化することと、千が千尋という名前を取り戻すという関係にハッとなりました(先生自身は余談って言ってましたが)。今から「千と千尋の神隠し」を観ます。

かずひと
自分たちの置かれている世界がどれだけ簡単ではないか思い知らされた。
そして、個体化を用いた作品が沢山あることも意外に思った。そこまで、昔から言われているのに解決できない問題って深刻に感じた。

ちさと
私と他者は、生きるベクトルを交差させながら、自分の時間軸を生きているということが知れた。今の社会は愛や学びも市場の原理に則って、私たちの人間的成長を阻んでいる。そのために私たちは学びを続けないといけないし、今生きていることを大切にしないといけないと思た。
未来を育てるために、今を頑張るというパッションは大変共感出来たし、フロムのいう他者を愛し自分を愛することの出来る、成熟した大人に私もなりたいとも強く思えた読書会だった。
p.s.九鬼周造と同じ誕生日ってゆーのがいっちゃん嬉しいです^_^

ゆうと
たった3冊の本で、これほど意見が分かれるという面白さがあった!
そして、相手を理解しつつ、また自らの意見を貫くことも大切だと思った

以上です!
マトリックスを見て想像を超えるグロテスクさに驚き、牧場の朝で緩和しながら見ているはるかでした。∠( ^ o ^ ┐)┐ ヨォ…
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