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社会実験の作法
おそらくTreatmentが伝統文化体験の提供, そしてOutcomeが稼働率. ただし, この稼働率の定義が曖昧なので, 観測しやすく, Treatmentが影響を及ぼすと考えるのに妥当なものを選ぶと良いかと思います.
懸念点としては, 伝統文化体験以外にも稼働率に影響している要因が見えにくいところだと思います. 仮に, 稼働率=利用部屋数 / 総部屋数 のように, 部屋の稼働率における変化に注目しても, 本当に伝統文化体験の提供は顧客満足度を上げるかもしれませんが, それを目的に利用者がホテルを選んでいるのかはよく分かりません(だから, ご研究されるのだと思いますが). むしろ値段,立地,客室,季節などが大きな要因かもしれません. 昨年度対比で調べてみるとかが考えられるでしょう.
そのため社会実験を行うにあたっては, 主な要因を可能な限りコントロールし可能な限り, 他の条件を揃えたように(Apple to Apple comparisonといいます)なるようなdesignを心がけることが大切です.
ゆえに, 「伝統体験と他の(体験の)比較があった方がいいんじゃないかとか」ではなく, 伝統体験を提供する(T = 1)ホテルと, 提供していない(T =0)ホテルの差を比較することが原則になると思います.
さらに「ホテルと旅館での違いなどもあった方がいいんじゃないか」ついては, 興味のあるテーマですし, それなりの結果を示すこと自体はfeasibleなQuestionだと思いますが, 可能なら取り組んでみるくらいがいいかと思います.とりあえずは, Apple to Apple comparisonを目指して...「伝統文化体験の提供が稼働率に貢献するか」を明らかにしてみてください!ファイト!
参考資料:
1. https://diff.healthpolicydatascience.org/
2. https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8075.html
3. https://gihyo.jp/book/2020/978-4-297-11117-5